病害虫/ツバキ、サザンカの病害虫対策

症状: 毛虫が群生している。
原因: チャドクガ
	
年2回発生し、前年の秋に葉裏に産み付けられた卵で越冬し、四月中旬から六月に幼虫が現れて葉を食害します。 幼虫がその後地面に降り、サナギを経て現れる成虫が産卵して、七月下旬以降も再び幼虫が発生。 発生が多い年は樹が丸裸になり、樹勢が著しく衰えて花が咲かないこともあります。 発生サインは葉色が白くかすり状になることで、その症状は5月上旬。
対策: 発生した葉を枝ごと剪定。 「ベニカS乳剤」を散布。
症状: 葉が緑白色になったりモチのように膨れている。
原因: モチ病(カビによる伝染性の病気)
	
新芽が伸び始めるころから葉が緑白色になり、健全な葉の5-6倍の厚さに膨らみ、葉にはつやがある。 被害が進むと葉裏は白いカビで覆われ、胞子が飛散して周囲に伝染します。 被害部分はやがて褐色になって枯れます。 飛散した胞子は芽の中で菌糸の状態で越冬し、翌春に新芽の展開とともに活動を始め、再び被害を及ぼします。 春に雨が多く、曇天が続いて日照不足だと発生が促され、毎年病気を繰り返すごとに樹勢が衰えます。
対策: 被害を受けた葉は、葉裏に白いかびがつく前に剪定して処分し、周囲の枝や葉に移らないようにする。 胞子が広がらないように、葉の上から水やりをしない。 枝や葉が茂り過ぎないように、こまめに剪定して風通しを良くする。 椿、山茶花のモチ病に登録のある薬剤はない。 チャノキやツツジ、シャクナゲにも発生する。
症状: 葉にまだらのような斑点が現れる
原因: 班葉病(ウイルスによる伝染性の病気)
	
葉の一部にモザイク状の斑が入る、多くの斑点がある、黄白色に緑色が縞状に残るなど、症状のあらわれ方は様々。 発病した株は全身にウイルスを保毒しているため、挿し木やつぎ木で子株へ伝染します。 生育には悪影響はないとされています。
対策: 班葉病を予防や治療する薬剤はない。
症状: 葉に黄褐色の汚れがついている
原因: ツバキクロホシカイガラムシ
	
放置すると葉全面に寄生して樹勢が衰えます。
対策: 成虫をこすり落としたり、枝ごと剪定する。 「カイガラムシエアゾール」を散布。
症状: 葉に蛇行した銀白色の筋や黒い粒がある。
原因: チャノハモグリバエ
	
約1.5mmの黒色のハエが葉の中に産卵し、孵化した乳白色の幼虫が、表皮の下を食害して被害部分に筋ができる。 生育への影響はあまりない。
対策: 被害葉を除去。薬剤はない。
症状: 葉に10mm程度の斑点がある
原因: 炭そ病
	
日当たり、風通しが悪く、雨が多く湿度が高いと発生します。 病班の中で病原菌が越冬し、翌春雨の跳ね返りで伝染します。
対策: 日当たり、風通しを改善して防除を徹底。 被害部分や落ち葉を除去。 「ベンレート水和剤」を散布。